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亀梨奈美

「自宅投資」は必ずしも資産形成のためのものではなく、人生をより良くするためのものと考えれば上手くいく。

不動産ライターが自身の自宅投資経験を紹介

クラウドリアルティのサービスである「不動産クラウドファンディング」は、少額から不動産に投資できる点が特長です。一方、世の中には様々な資産運用・投資方法があり、自分に合った方法を選ぶことが肝心。そこで、不動産クラウドファンディング以外の方法についても記事でご紹介しています。今回は、不動産投資の一つの方法である「自宅投資」について、不動産ライター・亀梨奈美さんに体験談を寄稿頂きました。

目次

「自宅投資」ってご存じですか?

自宅投資とは、自宅を「資産」と捉えて、物件選びや売却を考えることです。自分たちが自宅から転居したときには、賃貸に出したり、売却したりすることで収益化を目指します。

実は私も、2010年にマンションを購入し、2015年に売却した自宅投資経験者。とはいっても、結果は「売却損が出なかった」という程度です。自宅投資は誰にでもできるリスクが低い投資方法ですが、その反面、リターンを得ることも容易ではありません。つまりは、「ローリスク・ローリターン」の投資だということ。本記事では、私の経験則も交えながら、「自宅投資」の難しさをお話していきます。

「自宅」で投資をするメリット

まずは、「投資用の物件」ではなく、「自宅」で投資するメリットをお話していきましょう。

「貸す」リスクがない

一般的な不動産投資は、インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却益)の両者で収益化を目指します。不動産価格や土地値の高騰が顕著ではない昨今の不動産投資は、インカムゲインで安定的な収益を狙うことがなにより重要です。しかし、不動産を貸すことにおいては、様々なリスクが存在します。

たとえば、空室リスク。入居者がいない間は、当然ながらインカムゲインはゼロです。マンションは所有しているだけで、固定資産税や管理費、修繕積立金などの維持費がかかるので、賃料収入が入らないとなるとゼロどころか赤字になってしまいます。さらに入居者がいればいいという問題でもなく、入居者による賃料滞納や規約違反、隣人トラブルなどもまた、不動産投資する上では危惧しなければならない問題です。

一方、自宅投資は、住むのは自分たち家族。第三者に「貸す」ことがないので、投資中のリスクが少ないのです。

ローン条件がいい

不動産投資物件を購入する際にも、ローンを利用する方は多いでしょう。不動産用ローンには、マイホーム用の住宅ローンと不動産投資物件用のロ―ンがあります。一般的には、マイホーム用の住宅ローンの方が、不動産投資物件用ローンと比較してあらゆる面で好条件です。

まず、金利。不動産投資物件用のローンには、「フラット35」のような好条件の固定金利の商品はほとんどありません。また変動金利においても、金利水準は1~3%ほど投資物件用ローンの方が高い傾向にあります。

そもそも住宅ローンと投資物件用ローンは、借りる「目的」が違うため、融資額や金利に大きな違いがあります。投資物件用ローンは、返済原資となるのが給与ではなく家賃収入。借り入れられる額は、融資先の物件の価値や利回りによって異なります。毎月定期的に入る給与とは違い、不確かな賃料収入が返済原資となっているために貸し倒れリスクが高いと判断され、金利水準は住宅ローンより高めに設定されているのです。

自宅投資は、もちろんマイホーム用の住宅ローンを利用できます。住宅ローンを利用できるメリットは、「住宅ローン控除」にもあるでしょう。住宅ローン控除とは、年末ローン残高の1%を所得税と住民税から控除、還付してくれる制度。10年間の最大控除額は400万円(優良住宅の場合最大500万円)にもおよぶ、非常に大きな控除制度です。

さらに昨今、話題になっている不正融資問題によって、投資物件用ローンの融資条件は今、非常に厳しくなっているといいます。融資の受けやすさもまた、「身の丈のあった額」であればマイホーム用の住宅ローンの方が各段に上だといえるでしょう。

譲渡所得控除が大きい

マイホームは、売却時の「譲渡所得税」においても優遇されています。

譲渡所得税とは、不動産の売却益にかかる住民税と所得税を総称した税金です。売却益に対する税率は最大40%近くにもおよびますが、マイホーム売却に限っては、売却益から3,000万円が控除される特例が設けられています。

不動産投資ではキャピタルゲインが出る可能性もありますから、譲渡所得税の控除が大きいマイホームは非常に有利だといえるのです。

自宅投資の難しさ

様々な面で優遇される、自宅投資。しかし、自宅投資には難しさもあります。ここからは、私が自宅投資を経験した上で感じた「自宅投資の難しさ」をお伝えします。

物件選びに“私情”が入ってしまう

一般的な不動産投資は、「儲ける」ことだけを意識して、物件選びや出口戦略を考えるものですよね。しかし、実際に自分たちが住む家となると、物件選びにおいて”私情”が入ってしまうことは避けられません。

  • 実家との距離
  • 自分たちの好み
  • 自分たちにとっての都合のよさ
  • 子どもの学区

経験則からお話しすれば、私は上記のようなことも考えて物件選びをしました。「貸しやすい物件」や「売りやすい物件」、「価値が上がりやすい物件」が、必ずしも自分たちにとって住みやすい家ではありません。やはり自宅である以上、投資と割り切ることは到底できず、自分たちにとっての「暮らしやすさ」を優先させてしまうのです。

投資中に“都合”が出てきてしまう

不動産投資は、キャピタルゲインとインカムゲインの両者が最大化するときを狙って「出口戦略」を考えます。しかし自宅となると、親の介護や子どもの進学、転勤などの都合によって、必ずしも利益が最大化するときに出口を設定できるとは限りません。

実際、我が家の場合、長女が幼稚園に上がるタイミングと、お義父様が事業をたたんで実家近くの土地が空くタイミングが重なり、想定より随分と早く転居することになりました。どうせだったら、子どもが小さい内により長く住める場所に転居しようと考えたんですね。

売却したのは、購入からちょうど5年が経過する頃。2015年です。自宅投資として購入した家を賃貸物件として所有し続けることもできますが、私たちは、以下の理由により自宅を手放すことにしたのです。

  • 債務が多く残る状態での投資用ローンへの借り換えはリスクに感じた
  • 新築住宅における固定資産税優遇がちょうど切れるタイミング
  • 購入時と比較して最寄り駅の再開発が進んだ

2015年といえば、マンション価格がどんどん高騰していったとき。「投資」だけを考えれば、もう少し所有していた方が良かったかもしれません。しかしローン残債がほとんど減っていない状況での投資用ローンへの切り替えは、リスクに感じてしまいました。また、ちょうど固定資産税の優遇期間が終わり、翌年から維持費用が上がること。さらに、最寄り駅の再開発が進んだことと時期的なものもあって、売却損は出ない見込みであったことなどから相対的に判断し、売却を決断しました。

自宅投資に向いているのは「単身者」かつ「コンパクトマンション」

私が自宅投資として購入した物件は、ファミリータイプのマンションです。購入当時は夫婦2人でしたが、長く住むつもりだったので3LDKの間取りのものを選びました。そもそも「収益化」にそこまでこだわっていたわけではなく、結果として売却損が出ずに売却できたので、自宅投資としては満足いく結果になりました。

ただ「投資」の側面を強めるとするならば、「単身者」かつ「コンパクトマンション」が自宅投資には向いているでしょう。

ファミリー世帯より単身者

自宅投資には、ファミリー世帯より単身者の方が向いていると思います。あるいは、ご夫婦お2人の世帯もいいかもしれません。とにかく、身動きが取りやすい方が自宅投資には有利でしょう。

やはりファミリー世帯となると、自宅を購入するにも転居するにも、「子どもの事情」を考えないわけにはいきません。つまりファミリー世帯は、「自宅>投資」となる傾向が強く、ビジネスライクに投資を考えられなくなってしまうということです。

物件選び、賃貸への転用、出口戦略、いずれも「投資」として収益を最大化するためには、判断の速さやフットワークの軽さが求められます。そのため、身動きが取りやすく、住まいにそこまで私情を挟まなくていい単身者は有利に働くと考えます。

駅前のコンパクトマンション

自宅投資に向いている物件は、一般的な不動産投資でも人気な、駅前の1R~1LDKほどのコンパクトマンションでしょう。この面からも、ファミリー世帯より単身者の方が自宅投資に向いていると判断できます。

駅前のコンパクトマンションが向いている理由は、やはり需要の高さ。ファミリー向けの物件は実需がメインなので、空室リスクが高く、物件価格も高額なため、投資としてのリスクは高いといえます。手放す際にも、駅前のコンパクトマンションなら、投資用物件としても、居住用物件としても需要の高さに期待できます。

収益を狙うとすれば不動産投資初心者には難しい

自宅投資は、「貸す」リスクがないと冒頭でお話しました。不動産投資では、基本的にインカムゲインとキャピタルゲインのうち、賃料収入であるインカムゲインに重きを置きます。しかし、自宅投資は賃貸リスクがないとはいえ、不動産投資の収入源であるインカムゲインに期待できないのです。となると、自宅投資で収益化するにはキャピタルゲインに重きを置かなければなりませんが、不動産は基本的に経年によって価値を落としていくもの。将来的に売却益が出る不動産を見定めるのは、不動産投資初心者にとって簡単ではありません。

自宅投資は「損しない」ことに重点を置くべき

「自宅投資最強!」「自宅投資は誰にもできる!」などの言葉を最近目にすることがあります。否定はしませんが、私は、自宅投資とは「大幅に収益を出す」ためのものではないと考えます。少なくとも不動産投資初心者は、「収益を出す」というより「将来的に損しない」ことに重点を置くべきでしょう。だって、せっかくのマイホームです。誰かに貸すこと、売ることだけを意識して購入しては、もったいないと思いませんか?とはいえ、自分のこだわりだけを詰め込んで、「将来のことを考えない!」というのも、今の時代あまり賢明な選択とはいえません。

結婚、出産、転勤、子どもの進学、親の介護…などによって、快適な住まい・生活する上での快適な場所というのは移り変わっていくものです。

  • 売りたいときに売れる。
  • ライフスタイルの変化によって家を買い替えられる。

そのためには「自宅投資」という考え方は必要ですが、それは必ずしも資産形成のためのものではなく、“人生をより良くするため”として考えてみてもいいのではないでしょうか。

まとめ

自宅投資はリスクが少なく、誰にでもできる投資ですが、リターンを期待するとすれば一般的な不動産投資以上の知識が必要になるでしょう。

経験者からすると、自宅投資は「損しない」ことに重点をおくべき。自宅投資でうまく資産形成している人もいますが、大事なのは自分に合った不動産投資を選択することです。最近では、”クラウドファンディング型”の不動産投資など、様々な投資方法が出てきています。掛けられるお金や求めるリターン、想定されるリスクなどを相対的に考え、自分に合った投資方法を探してみましょう。

Profile

不動産ライター
亀梨奈美

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに不動産記事を多数執筆。

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